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劇場事業本部
   
   〔こどもの城〕には、「青山劇場」と「青山円形劇場」の2つの劇場があります。
 「青山劇場」は、1,200人収容の大劇場で、全床スライド式の2面主舞台を持っています。1つは独立して昇降する24基の小迫りに分割され、床全面が沈下します。もう一つは、沈下した舞台の横からスライドしてくる構造で、回り舞台が組まれています。これらの舞台機構、音響、照明は精密なコンピュータで制御されています。
 「青山円形劇場」は、日本で最初の完全円形というユニークな形態をもっています。舞台と客席を自由に設定でき、他に例のない劇場空間を作りだすことができます。キャパシティーは最大376人です。
 2つの劇場はオープン当時はもちろん、今でも劇場工学の最先端を行くハイ・テクノロジーが大きな特色となっています。
   
 
 
質の高い文化的な演目をプロデュース
   
   劇場運営のスタイルには、自主公演と貸し劇場の2つがあります。どちらの場合も、企画の内容を吟味し、〔こどもの城〕の劇場としてふさわしい演目を選んで上演しています。劇場に足を運ぶお客様にとって、自主公演だろうが、貸し劇場だろうが、それはすべて「青山劇場」「青山円形劇場」の公演だからです。
 自主公演は、どういう劇場でありたいか、という私たちの理念をストレートに表したものです。リスクもすべて自分たちで抱えることになります。作品作りのすべてを自主で行う〈オールプロデュース方式〉と企画意図を理解し、反映してくれる劇団や制作会社に作品の制作部分を委託する〈委託方式〉があります。
 開館5周年記念『日本のミュージカル 龍の子太郎』(1990年)、開館10周年記念『イーハトーボの音楽劇 銀河鉄道の夜』(1995年)、『青山バレエフェスティバル』などが、青山劇場で公演されたオールプロデュース方式の代表作です。青山円形劇場では、『ア・ラ・カルト』『こどもの城・キリン・ファミリーオペレッタ』『マタニティ・コンサート』などがあります。
 委託方式の自主公演は、“今を見つめる演劇”をコンセプトに、毎年テーマを設定し、そのテーマに沿った作品を数本上演する『青山演劇フェスティバル』などが、その代表作です。
   
 
 
あらゆる世代の人が楽しめる劇場を目指す
   
   〔こどもの城〕の劇場が目指しているものは、少し抽象的ですが、〈今を生きるすべての人に、何かを捧げることのできる劇場〉ということです。子どもからおとなまでの幅広い層をターゲットに、明るく、希望の持てる作品がラインアップの中心となります。
 このような傾向の演目は、一般的に“ファミリー向け”と呼ばれ、“お子様向けの”“二流の”“ステロタイプの”という悪いニュアンスが含まれることが多いようですが、〔こどもの城〕の劇場部門では、真の意味での“ファミリー向け”の演目を送り出したいと願っています。
 あらゆる世代の人間が、それぞれの視点で楽しめ、何かを感じ、見終わった後で対話が生まれるような演目です。青山劇場でミュージカルや音楽劇、バレエなどの公演が多いのは、この意図を反映した結果といえます。
 このことに加えて、青山円形劇場では、ジャンルにこだわらず、小劇場という空間の親密性と、完全円形という独自の形態を生かした演目も積極的に取り入れています。
 
     
 
 
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